藪から藪へ  From a Bush to Another

 

大東 忍              DAITO Shinobu

 

2024.9.8  sun  -   10.27  sun

12:00 - 19:00

月、火 休廊 水曜日は2日前までにご予約ください。

 

9月8日 (日)18:30〜

オープニングパーティーを開催いたします!

 

10月26日(土)17:00 -18:00

トークイベント

大東 忍 + 畑中章宏 「藪の中に立つ方法」

ゲスト 畑中章宏(民俗学者)

 

 藪の境目は捉え難い。草やその隙間を通り抜ける風も藪の一部ではないか。

太陽や月が藪に影に生むが、影もまた藪と言えるのではないか。

藪にはあらゆるものを含み持つような奥行きがある。藪とそれ以外の境界を

引くのではなく、藪が取り込んでいく曖昧さと奥行きを理解したい。そうし

て呼吸をするように変化し続ける藪の在り方から、風景を考える。

 童謡『ちょうちょう』の歌詞に「花から花へ とまれよ あそべよとまれ」と

ある。花から花へ軽やかに飛び回る蝶は、種類によっては数千キロもの海を

渡ることもある。わたしはそんな距離を飛び回ったり渡ったりすることはで

きないが、花の代わりに藪を頼りにして、自分の持つ風景の記憶を渡ってみ

たい。時に、はるか遠くの記憶の風景を藪が引き寄せてくれる気がする。

 藪から藪へ、記憶と身体が風景を渡る。